構築経緯
S19の最終1位構築「コライカミラッシャグライ」が自身で使用しても相手にしても強力であった。
コライカミは終盤まで脅威であり続けるという考えの下、様々な並びを試す中で、対コライカミに最も安定して立ち回ることのできた
チョッキ+呪い+眼鏡
の並びを軸に考察を進めた。
この3匹と組ませる禁止伝説枠はスカーフコライドンに自然と決まった。3匹全てと相性が良く、高速物理アタッカーとしてスイーパーと破壊の役割を果たすことができる。
威嚇+キョジオーン+高火力スイーパーのサイクルは対物理禁伝において非常に安定する一方で、ミライドンを筆頭とした特殊禁伝に対してはサイクルを回せない。そこで、特殊禁伝構築に対しコライカミランドと共に対面的に殴り合える駒として、襷パオジアンを5匹目に採用した。
この並びでほとんどの構築に対応できていたため、早い段階で5匹を固定し残り1枠を模索した。
欲しい要素としては、
①毒菱+ルギアの構築に強い
②黒バドレックスに強い(特にスカーフ)、一貫を切ることができる
③キョジオーン/パオジアン/ハバタクカミに弱くない
④スケショコライドン/ザシアン/パオジアンに圧がかかる(剣舞や通す動きを抑制できる)
珠葉緑素ヒスイドレディア→珠葉緑素エルフーン→悪テラス天然ドオー→悪テラス叩きグライオンと試した末に、最終日深夜にヘイラッシャを採用し、構築が完成した。
使用構築
カミの型を入れ替えながら使用していた。多く使用したのは上の画像の方。
個体紹介
コライドン
コライドン@こだわりスカーフ
テラスタイプ:ほのお
特性:ひひいろのこどう
性格:ようき
175-187(252)-136(4)-×-120-205(252+)
<調整>
S…ブエナ/眼鏡ハバタクカミ意識の最速
A…ぶっぱ
・スイーパー運用を行える禁止伝説ポケモンの中でもスカーフコライドンは、無効タイプのない超火力打点+対面操作技を持つ故に、相手のテラスタルや行動に関わらない詰めを行いやすいという強みを持つ。
・ランドロス/キョジオーン/パオジアンで盤面を整えた後に裏から投げスイーパーの役割を果たすことが多い。相手の型と選出を確認してから、超速超火力により確実な勝利をもたらす。
・勿論、相手の構築によっては初手に投げても強力であり、初手水ウーラオスや物理受けの後投げに対し蜻蛉返り→眼鏡ハバタクカミ着地からサイクルを容易に破壊できる。
・晴れによる恩恵は自身とハバタクカミを強化するのみならず、味方全体に水技耐性を付与することにより、水ウーラオスやヘイラッシャに対するランドキョジカミのサイクル性能を格段に高めてくれた。
・コライドンは禁止伝説枠に相応しい活躍をしてくれたが、選出必須ではない。天候を変えられるスカーフ水ウーラオスの様な感覚で運用していたため、一貫が取りにくく晴れも不要な構築、特にミラー/受け/キョジオーン入りへの選出率は決して高くはない。
ランドロス
テラスタイプ:はがね
特性:いかく
性格:なまいき
196(252)-168(20)-120(76)-126(4)-132(156+)-97(-)
※素早さ個体値24
地震/蜻蛉返り/草結び/地割れ
<調整>
HD…臆病カミのこごえるかぜ2耐え(〜49.0%)
特化ガチグマのブラム2耐え(〜49.5%)
S…無振りカイリュー-3(同族の下から動きたい)
こちらの記事の調整を参考にしました
https://note.com/yukibue_poke/n/nb411dfb70
・最も多くの対戦で初手投げした。コライドンが初手ハバタクカミを強く誘う+水ウーラオスとパオジアンを牽制するため、ランドロス初手投げが非常に強くなる。
・突撃チョッキ+HDに厚く振ったことにより、ハバタクカミやガチグマに対する後投げの安定感が凄まじい。
・技構成は、地震と蜻蛉返り、ヘイラッシャとガチグマへの強力な打点である草結びで完結している。物理受けに想定外の負荷をかける草結びは、物理禁伝と組み合わせる上で必須級の技であると感じた。
・最終日深夜までは残り1枠に地ならしを採用していたが、この構築においては活きる場面が極端に少なかった。
他方で、対ミライドン構築において、選出画面で見えにくい要塞化ポケモン、具体的にはフェアリー半減テラス+鉄壁のキョジオーンやアッキ瞑想ガチグマ等に詰まされるという懸念があった。
実際にそのような型に詰まされた対戦があったため、朝4:00に地割れの採用に踏み切った。
・以降の22戦のうち、実際に地割れを押したのは2戦だけだったが、役割対象のポケモンの採用率の低い型/攻撃性能の低い耐久ポケモン、に選出パワーを落とすことなく確率有利を押し付けられる、適切な技選択であったと考えている。
キョジオーン
キョジオーン@食べ残し
テラスタイプ:ゴースト
特性:きよめのしお
性格:わんぱく
207(252)-120-184(140+)-×-125(116)-55
しおづけ/守る/のろい/自己再生
<調整>
こちらの記事の調整を参考にしました
https://mega-salamance.hatenablog.com/entry/2024/06/01/090000
・無限の壁。ランドロスの威嚇と合わせて、物理禁伝に対し非常に有利に立ち回ることができる。定数ダメージで裏のアタッカー圏内に入れる動きを行いつつ、のろいを積むことで自身で詰め切ることも可能。
・ハバタクカミと合わせてコライドンの一貫を切り、威嚇/守るとの組み合わせにより剣舞型以外のコライドンを完封できる。
・ランドロス+キョジオーンは、キョジオーンの塩漬け+ランドロスの草結び+2匹の相性補完によりコライドン受けであるガチグマ、ヘイラッシャを自然に対策できる上に、ハバタクカミにも強い並びである。
・毒テラスでないことにより眼鏡ハバタクカミには崩される可能性があるものの、S19の結果を受けて眼鏡ハバタクカミは多少素早さを削り耐久に努力値を割く傾向にあり、たとえ崩されたとしてもコライカミで上をとって切り返すことが十分に期待できた。
・ランドロス/キョジオーンの両方が電磁波も毒菱も無効にすることができる点も、コライカミと組むサイクル要員として高く評価できる。
・霊テラス呪いの採用により、想定外の身代わりに抗う手段を持ちつつ、受けに対する崩しの手段となることもできる。対ムゲンダイナ/対身代わりウーラオス/対日蝕ネクロズマなど、霊テラス呪いが必要な場面は多かった。
ハバタクカミ
ハバタクカミ@こだわり眼鏡
テラスタイプ:フェアリー⇄ステラ
特性:こだいかっせい
性格:おくびょう
143(100)-×-92(132)-172(132)-155(4)-190(140+)
ムーンフォース/シャドーボール/パワージェム/ドレインキッス⇄テラバーストステラ
<調整>
HB…陽気パオジアンのつららおとし確定耐え
A4振りヘイラッシャのヘビーボンバー確定耐え
HD…C179ハバタクカミ(前期1位)の眼鏡テラスムーンフォース7/8耐え
S...最速120族(オオニューラ)抜き
C...余り全て
・コライドン/キョジオーン/ランドロスとの相性補完に優れたサイクルの要。晴れ下古代活性による素早さ上昇と、拘り眼鏡による火力増強により、スペックが最大限まで引き上げられている。
・無効技への受け出しや蜻蛉返りからの繰り出しから、受け出し不可の高火力を押し付ける。
・一般的な耐久振り眼鏡型と比較して、特殊耐久と火力をやや削ってSを伸ばしたことにより、最速以外のハバタクカミミラーで上を取ることができる。一般的な眼鏡ハバタクカミの上を取りつつ欲しい耐久ラインを確保できており、崩し兼スイーパーとして運用する上で使用感は非常に良かった。
・テラスタイプはフェアリーとステラを入れ替えながら使っていた。主に使用したのはフェアリーテラスで、対サイクル構築において継続的な高火力とドレキの回復力が刺さる、パオジアンや黒バドに縛られにくくなるといった強みがある。
・ステラの利点としては、重いスケショコライドンをパワージェム/テラバーストで切り返せる事、同様に炎オーガポン/ホウオウをワンパンできる事、神速で縛られにくくなる事が挙げられ、こちらも捨て難い。
パオジアン
パオジアン@気合いの襷
テラスタイプ:ゴースト
特性:わざわいのつるぎ
性格:ようき
155-172(252)-101(4)-×-85-205(252+)
つららおとし/不意打ち/聖なる剣/サイコファング
<調整>
S…ミラー、襷カミ、ミライドン意識で最速
A…ぶっぱ
・対面選出の要。ミライドン軸を中心に、対面的に殴り合いたい構築に投げる。
・襷ハバタクカミやランドロスなどコライドンが呼ぶ初手要員に強く、先発適性が非常に高い。
・重めなエレキシードオオニューラの起点回避を意識しサイコファングを採用。剣舞を押してくる事もありイージーウィンを拾えた他、水ウーラオス/テツノドクガ/壁+ミライドンの処理においても活き、対ミライドン構築の安定感がかなり増した。
ヘイラッシャ
ヘイラッシャ@隠密マント
テラスタイプ:あく
特性:てんねん
性格:いじっぱり
249(188)-144(84+)-135-×-115(236)-55
噛み砕く/地震/ヘビーボンバー/眠る
※素早さ実数値下げること推奨(レンタルptでは実数値49にしてあります)
<調整>
A…B4振り黒バドを噛み砕くで確定一発
HD…対特殊意識でできるだけ高く
C116振りルギア(無振りウーラオス確定一発)のエアロブラスト2回+急所1回をほぼ耐え
HB…A特化パングロウーラオスのドレパンを99.76%で3耐え
・見た目の圧力が高すぎる補完枠。軸で重い黒バド/ルギアの見えない対策枠でありながら、物理の剣舞による崩しを躊躇させる性能を持ち、選出画面にいるだけで相手の行動の選択肢を狭めてくれる。パオジアンの被選出率を下げることにも貢献してくれたと感じている。
・黒バド構築には3度投げ、その全てで奇襲を成功させた。黒バドを倒しさえすれば、残りは対面的に詰め切ることができる。
・ルギアにはマッチングしなかったが、毒菱要員を初手ハバタクカミorコライドンで迅速に処理し、隠密マントでサイコノイズの効果を無視して眠ることでTOD勝ちが見込める。
・技構成は、黒バドとルギアに押す噛み砕くと、TODを仕掛けるための眠るは確定。毒テラスルギアやキラフロルへの打点として地震を、被選出率の高いハバタクカミを破壊するためにヘビーボンバーを採用した。
・テラスタイプは、ルギアへの負荷と黒バドへの耐性を意識し悪。テラスタルしたい場面は少ないが、黒バド耐性はあった方が良い。
・素早さ個体値31の個体を使用したが、キョジオーンのボディプレスで押される展開を考えると、眠るターンの同速対決を避けるために素早さ実数値を下げて使うべきであった。
構築の要点
多様な攻めの手段
物理特殊の超速超火力拘り+対面操作、高耐久状態異常無効サイクルの定数ダメージ+両刀+一撃技、高速高火力広範囲襷ポケモンによる対面的な殴りといった多様な攻めの手段を持つことで、崩せない構築を作らない。
受けの補完
相性補完に優れた高数値サイクルを晴れや威嚇で補強することにより、1サイクル目で崩されることを無くす。
最強の5匹+圧力の高い補完枠
軸の5匹は受け攻め両面の補完が優れていることにより、多様な組み合わせの選出が可能。補完枠のヘイラッシャは重い禁伝のメタ枠であると同時に、対処の難しい物理ポケモンの行動を選出画面から縛る、コライカミラッシャの並びを見せることで構築の構造を見えにくくするといった点でも有効に作用する。
選出
当然、取り巻きによって大きく変化するが、多く投げたものを記載する。
コライドン
先発++or
ランドロス+キョジオーンで有利サイクルを形成し、ハバタクカミorコライドンで〆る。スケショ型には、カミがステラなら上記の選出で問題ない。ステラでない時に初手剣舞をされる展開のみ苦しく、基本選出の場合はキョジオーンで頑張るが、型が読める場合はコライカミを両選出し先に押し切る展開を作るのが良い。
ミライドン
キョジオーンなし
先発++or
キョジオーン入り
++or
パオジアンでミライドンの型を見ながら対面的に殴り合い、最終的にコライドンを一貫させる。コライドンを一貫させにくいキョジオーン入りにはハバタクカミの一貫を作りにいく。
黒バド
+2
展開系以外の初手投げするような黒バドには、初手ヘイラッシャで一発芸したい。襷や巧みアンコなどの型であれば、キョジランドで削りを入れコライカミの一貫を作る動きも取れる。壁+高速移動はキョジオーンの塩漬け呪いを駆使して突破を図るが重い。
ザシアン
先発++or
初手ハバタクカミが多いので、ランドロスで数的優位を取りコライドンを一貫させる。ランドロスの威嚇を有効に使う。
白バド
先発++or
キョジオーン+ランドロスで白バドの型を見つつ流し、アタッカーの一貫を作る。
テラパゴス
から2匹
並びが様々でそれぞれ対処が異なるが、選出や立ち回りは読みやすいため、最終的にテラパゴスをコライドンorハバタクカミで倒せるルートに持ち込めるよう柔軟に選出する。
ムゲンダイナ
++
ハバタクカミを通すことを狙う。カミを処理するために誰かが炎テラスを切るとランドロスが通る。ムゲンダイナがハバタクカミとキョジオーンの両方に通る打点を持たないため、対処にかなり余裕がある。
ルギア
先発++or
初手ハバタクカミで設置技を2つ以上撒かせず1匹倒し、ヘイラッシャでTOD勝ちが理想。
重い要素
・ステロ+壁オーロンゲ+高速移動黒バド
選出の項目で述べた通り重く、詰む隙を与えた瞬間に負ける。
・キョジオーンが投げにくい並びの、パオコライ受け+浮いてるフェアリー耐性持ち
ミライドン構築のキョジオーン+アーマーガア等が該当する。キョジオーンを選出するしかない。
結果
最後に
ランクバトルに取り組む上で1つの大きな目標であった最終1位を達成でき、非常に嬉しいです!毎試合の反省を活かし構築と立ち回りを改善し続ける姿勢を貫いたことが、結果に繋がったと考えています。早い段階で軸を固定し、最終日にはずっと2桁帯で戦えていたことで、課題が明確になり有効な変更をすることができました。
嬉しい気持ちがあると同時に、構築も立ち回りもまだまだ全対応はできていないと自覚しているので、答えが見つからない中で模索し工夫することをこれからも続けていきたいと思います。
ここまで読んでくださりありがとうございました!